<ReR Recommended>
09年8月新譜
ヴリル(リューカス・シモーニス、ボブ・ドレイク、ピエール・オメール、クリス・カトラー)/VRIL ReR Recommended 2,520
The Fatal Duckpond '09 ReR VRIL2
名手カトラー(ドラムス)、サウンド職人ドレイク(ベース/ギター)、奇才シモーニス(ギター)による異色サーフ・ロック・バンドのセカンド・アルバム。新メンバーに曲者オメールがギターで加わってパワー・アップ。時に脱力とユーモアを伴う痛快なギター・サウンドが、めまぐるしく展開しながら疾走する。華やかに絡み合う3本のギター(ベース含む)をまとめあげるカトラーのドラミングが強烈。『死の鴨ヶ池』なるカルト・フィルムにつけたサウンドトラックというふれこみで、ライナーにはかわいい絵コンテまでついているが、そんなフィルムが実在するのかも怪しいところ。ドレイクの自宅スタジオに合宿して、シモーニスが持ってきた曲をみんなでアレンジし、練習し、一発録りで録音するという、「バンド活動」のプリミティヴな喜び、楽しみが溢れ出す18曲。>>試聴する1 >>試聴する2

ハイナー・ゲッベルス/HEINER GOEBBELS Angelica 2,520
The Italian Concerto '09 IDA 024
2005年にイタリア各地で開催された、ゲッベルスの作曲作品を披露するコンサート・シリーズからのセレクション。オーケストラにそれぞれ、セネガルの弦楽器のコラとヴォイス、ヨハネス・バウアーのトロンボーン、黒人女性メゾ・ソプラノをフィーチュアした重厚でドラマティックな3作品。そして表題作はエレクトロニクスを仕込んだドラムスを操るクリス・カトラー(カシーバー時代からの盟友)とのライヴ・インプロヴィゼイション。久々に演奏家としてステージに上がったゲッベルスは、大小のシンバルを内部に仕込んだグランド・ピアノで、バッハの引用を含むクラシカルな即興演奏で対峙する。圧巻。>>試聴する1 >>試聴する2

ブラスト・クァルテット/BLAST QUARTET ReR Recommended 2,520
Sift '09 blast 02
ディルク・ブルインスマをリーダーに、90年代初頭から活動を続けるオランダのヴェテラン・バンド。サックス、ギター、ベース、ドラムスのタイトなクァルテット・ヴァージョン。変拍子、ポリリズム、めまぐるしい曲展開と、部分的にインプロヴィゼイションを取り込んだ、非常に構築的なコンポジションを、荒削りなパワーでゴリゴリと突き進む。ハードコア/オルタナティヴ色が強く、キューニーフォーム・レーベルに代表されるアメリカ系レコメン・シーンで評価が高いサウンド。>>試聴する