<GOEBBELS & HARTH>
ハイナー・ゲッベルス&アルフレート・ハルト/HEINER GOEBBELS & ALFRED HARTH "Hommage/Vier Fauste fur Hanns Eisler / Vom Sprengen des Gartens"

即興の強さとしなやかさ「史上最強のデュオ」の初期2作品の初CD化

 76年〜89年の長きに渡り濃密な活動を続けた名コンビ、ハイナー・ゲッベルス(ピアノ/アコーディオン他)&アルフレート・ハルト(サックス/クラリネット他)。史上最強のデュオと謳われた彼らの初期2作品の初CD化(2枚組)。76年のデビュー作 "Hommage/Vier Fauste fur Hanns Eisler" はハンス・アイスラーのブレヒト・ソングを中心に演奏したライヴ。79年のセカンド "Vom Sprengen des Gartens" はラモーやバッハ、シューマンのカヴァーを含むスタジオ録音。スピリットを汲みつつ原曲を即興の強さとしなやかさで換骨奪胎していく手際は実に鮮やか。パワフルでエネルギッシュに、時に繊細に美しく、息の合ったコンビネイションを聴かせる。何はともあれかっこいい。

ハイナー・ゲッベルス&アルフレート・ハルト/HEINER GOEBBELS & ALFRED HARTH ReR Recommended 4,200
Hommage/Vier Fauste fur Hanns Eisler / Vom Sprengen des Gartens (2CDs) '76/'79 ReR GH1/2


<CASSIBER>

ジャズ、フリー・ミュージック、現代音楽、演劇、パンク、サンプリング・ミュージックと、様々なジャンルに踏み込み素晴しい成果を上げてきたキーボード奏者ハイナー・ゲッベルスとサックス奏者アルフレート・ハルトが、クリス・カトラーとクリストフ・アンダーズと共に82年に結成したスーパー・グループ。

カシーバー/CASSIBER Locus Solus 国内盤 2,730
マン・オア・モンキー '82 LSI 2019
デビュー作。ダイナミックな即興演奏に乗せて、カトラーの詩を叫ぶアンダーズのドラマティックなヴォーカリゼイション。前人未到のハイ・テンション・ミュージック。(解説:坂本理、訳詞付き)

カシーバー/CASSIBER Locus Solus 国内盤 2,730
美女と野獣 '82 LSI 1020
第2作。本作の後、サックスのアルフレート・ハルトが脱退し、カシーバーは即興から構築へと舵を取ることになる。過渡期に当たる問題作。本作は自らの内部に二つの断層を抱え持っている。その意味で本作はまさに過渡期の作品であり、完成度という点では低いかもしれない。しかし、ここには彼らが困難を乗り越えていった戦いの跡がまざまざと刻まれている。(福島恵一)(解説:福島恵一、訳詞付き)

カシーバー/CASSIBER ReR Recommended 2,730
Perfect Worlds '82 ReR B0000CD
第3作。「この3rdアルバムはカシーバーの大きな転身を意味する。ゲッベルスとハルトの共同作業の延長線上でレコーディング・セッションとして成立していたカシーバーの音楽が、ハルトを失うことで、ハルトの『術』に負う準備された恣意性を放棄し、すべてが予め綿密に計算された『完成』を指向することになった。そして、それはカトラーの詩とゲッベルスの信じられないサウンド・コントロールによって、『完璧』に実現した。カシーバー第2章の劇的な幕開け。」(坂本理)

カシーバー/CASSIBER ReR Recommended 2,730
A Face We All Know '82 ReR CCD
第4作。「カシーバーの音楽はさらに深化を続ける。"Perfect World" の手法を押し進め、作品の一層高密度の構造化に寄与させたゲッベルスの才能が一段と時代の中に際だつ。70年代初頭に大きな頂点を築いたヨーロッパの前衛ロックの知を確実に90年代へと継承する、あり得べき最高のロック・ミュージック。」(坂本理)

カシーバー/グラウンド・ゼロ/CASSIBER/GROUND-ZERO ReR Recommended 4,200
Live in Tokyo / Live in Tokyo Re-mixed by Ground-Zero (2CD's) '82 ReR CGZ2
Disc1は92年東京でのライヴを収録。生演奏とサンプリング、ヴォーカリゼーションがダイナミックに絡み合いながら強固な塔を築いていく。サックスでゲスト参加した篠田昌己の熱演が光る(この1か月後に急逝)。Disc2はカシーバーを敬愛する大友良英によるリミックス集。カシーバーのライヴ音源を解体し、GROUND-ZERO最終期の多数のメンバーの演奏を重ね、オリジナル作品として大胆に再構築している。GROUND-ZERO名義の最後の作品となった。

ハイナー・ゲッベルス/HEINER GOEBBELS Angelica 2,520
The Italian Concerto '09 IDA 024
2005年にイタリア各地で開催された、ゲッベルスの作曲作品を披露するコンサート・シリーズからのセレクション。オーケストラにそれぞれ、セネガルの弦楽器のコラとヴォイス、ヨハネス・バウアーのトロンボーン、黒人女性メゾ・ソプラノをフィーチュアした重厚でドラマティックな3作品。そして表題作はエレクトロニクスを仕込んだドラムスを操るクリス・カトラー(カシーバー時代からの盟友)とのライヴ・インプロヴィゼイション。久々に演奏家としてステージに上がったゲッベルスは、大小のシンバルを内部に仕込んだグランド・ピアノで、バッハの引用を含むクラシカルな即興演奏で対峙する。圧巻。>>試聴する1 >>試聴する2